実施計画概要
プロジェクトの目標
目標
- 養成する人材像
本課題では、医療の現場と、医療機器(診断、治療)の開発製造に関わる企業において、医療工学に関する技術開発およびその実地の応用等に従事し、医療技術を革新することができる技術者を創成することを目標とする。この再教育システムを通じて、医療現場や必ずしも既存の医療関連産業分野に限らない広範な産業分野の専門家を再教育することによって、従来、目的意識的に育成されてこなかった、医学と工学技術の両方の分野に精通した人材を養成する。
- 養成目標人数
- 人材養成計画3年度次修了後の目標: 120名
- 人材養成計画5年度修了後の目標: 220名
実施内容
- 短期の集中講義の開催
- 人材養成計画3年度次修了後の目標: 120名
- 人材養成計画5年度修了後の目標: 220名
- 養成目標人数
- 既に策定したカリキュラムに基づき、医学と工学、及び、融合分野の知識を獲得させる。
- 年2回、各1週間程度の集中講義形式にて実施する。
- e-Learningによる自己学習機会の提供
- 上記の集中講義を補充する e-Learning システムを特設し、理解を強化させる。
- 学習内容の予習、復習、及び、自己評価するシステムを確立し、更に、電子メール等を通じた質疑応答に対応する。計画初年度に構築し、2年度から運用する。
- 実習の開催
- 集中講義、e-Learning等による基礎学習を必修要件として、年1~2回、1週間程度の実習を開催する。
- 内容は、動物解剖、生理実験、細胞培養、DNA操作、蛍光顕微鏡観察等により構成する。
人材養成の必要性
科学技術基本計画における、重点4分野の1つであるライフサイエンス分野、とくに(iii)先端技術・機器の開発において、情報通信技術、ナノテクノロジー等との融合領域における技術開発が国策とされており、このため本融合分野における人材育成が総合科学技術会議平成16年度施策の重点課題である。平成15年度に我々のグループが実施した経済産業省バイオ人材育成システム開発事業アンケート調査によると、民間企業等が求める人材像として、次の結果が得られている。
- 専門分野:医学系、及び、情報系の即戦力の人材
- 職能:研究開発スタッフ、特に、複数の専門を有する人材(ダブルメジャー)
- 専門性(学歴):修士、博士レベルの高い専門性を有する人材
本課題は、まさに我が国策、及び、民間のニーズに合致し、医療と最先端の工学技術に精通した、ライフサイエンス分野、とりわけ医療工学技術者の養成を目標とする。このために、産業界や医療等に従事する人に適切な再教育を施し、既存の専門知識の上に新たな分野の知識・技術を獲得させる人材養成の仕組みが不可欠である。
計画進展・成果がもたらす利点
本計画の目的は、それぞれの技術分野において専門家である技術者に対して、医療工学分野で、医師あるいはコメディカルスタッフと同等の発言権をもって共同の技術開発に従事することを可能とすることにある。この結果、従来、医師等のメディカルスタッフが強い主導権をもってきた医療現場に工学の手法と技術によるサポートを導入できれば、医療そのものを根本的に革新できるような新規の技術開発が可能となり全く新しい機器・システムの開発が可能となる。
実施体制
本プロジェクトの実施体制を以下に示す。
本プロジェクトの推進は、東北大学医療工学人材育成委員会を中心に行う。同委員会では、これまで医療工学に関するカリキュラムの策定を進めてきた。委員会は、以下のメンバーにより構成されている。また、教育のための基本的学識は、同委員会の委員、及び、随時相応しい教員を医学部ないし工学部から動員し体系化する。
委員長 | 山口 隆美 | 東北大学大学院 工学研究科 教授 |
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委員 | 和田 仁 | 東北大学大学院 工学研究科 教授 |
委員 | 和田 成生 | 東北大学大学院 工学研究科 助教授 |
委員 | 山田 章吾 | 東北大学大学院 医学系研究科 教授 |
委員 | 大内 憲明 | 東北大学大学院 医学系研究科 教授 |
委員 | 大隅 典子 | 東北大学大学院 医学系研究科 教授 |
委員 | 川添 良幸 | 東北大学 金属材料研究所 教授 |
委員 | 早瀬 敏幸 | 東北大学 流体科学研究所 教授 |
委員 | 福田 寛 | 東北大学 加齢医学研究所 教授 |
委員 | 大島 まり | 東京大学 生産技術研究所 教授 |