第10回東北大学REDEEMシンポジウム 講演概要
- 講演1
- 講演2
- 講演3
- 講演4
「東北大学」発の新規骨再生材料
鎌倉 慎治 教授
(東北大学大学院医工学研究科 骨再生医工学分野)
「東北大学」発の新規骨再生材料であるリン酸オクタカルシウム・コラーゲン複合体(OCP/Col)は「細胞や成長因子を補充しなくても有効な骨再生を実現させる」ことができ、 「使用に際して煩雑な操作や管理体制を必要としない」。前臨床試験で既存骨代替材料の骨再生能を凌駕することを確認し、東北大学病院での成人の嚢胞腔・抜歯窩に対する臨床研究で安全性・ 有効性を検証し、産学連携のもと実用化を目指している。
食道癌治療の変遷と今後の方向性~低侵襲治療の開発と成績向上のための治療体系
亀井 尚 准教授
(東北大学大学院医学系研究科 先進外科学分野)
食道癌に対する集学的治療において、手術治療はその中心にある。私共は胸腔鏡下食道癌手術の開発からロボット手術の導入まで一貫して低侵襲手術を追及し、加えて、本手術に付随する諸問題の解決のために、 3Dシミュレーションや術中ナビゲーションを導入してきた。さらに生体反応のコントロールを包括した全く新しい周術期管理を進め、より低侵襲な治療体系を確立し、治療成績向上を図っている。 本シンポジウムでは食道癌低侵襲治療の変遷と今後の方向性について言及する。
宇宙開発技術を利用して体表微細電気信号を取り出す
木村 芳孝 教授
(東北大学大学院医学系研究科 融合医工学分野)
体表には数μボルトという微細電気信号が存在する。この信号から有益な信号を取り出して個人の識別や生体内の臓器の活性などの指標に用いることが可能である。
微細電気の感情による変化などまだまだ解明されていないことが多い。
本講演では宇宙開発の技術を利用して取り出しお腹の赤ちゃんの数μボルトという心電図を計測する技術を紹介する。
潰瘍性大腸炎に対する外科治療とその課題
福島 浩平 教授
(東北大学大学院医工学研究科 消化管再建医工学分野)
潰瘍性大腸炎は、厚生労働省の難病に指定された大腸に炎症を生ずる原因不明の疾患である。我が国において、その患者数は15万人に達し、決してまれな疾患ではなくなってきている。 薬物治療が中心ではあるが、重症例や癌合併例では手術が施行される。その原則は、病変の「場」である大腸をすべて切除することであるが、全大腸がなくなる影響をいかに少なくするかが術後の 「生活の質」を保つ上できわめて重要である。口演では、外科治療の現状と課題についてお話したい。