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第9回東北大学REDEEMシンポジウム


講 演 概 要

■講演1

「人とは、なにものか?―アマチュア、進化マニアの考えたこと」

佐竹 正延 教授
(東北大学 加齢医学研究所長、同 免疫遺伝子制御研究分野)

19世紀は、おフランス。後期印象派の画家、ゴーギャンのタヒチ島での作品に、「われわれはどこから来たのか、われわれは何者か、われわれはどこへ行くのか」、があります。描かれた人物群像は、タイトルにどう関連するのか。絵を眺めておりますと、インスピレーションが大いに湧いてきます。すなわち、遺伝子(gene)・組織(tissue/organ)・種(species)、各々の進化の観点から、人間はどう見えるのか?講談の一席と致します。




■講演2

「細胞スケールから解き明かす生物流れ」

石川  拓司 教授
(東北大学 大学院工学研究科 バイオロボティクス専攻 生体機能工学分野)

生物流れは健康問題や環境問題と密接に関わっていますが、未解明な点が数多く残されている未踏領域です。我々は人体内の血液循環や腸内フローラ、気管内の繊毛流れなどを対象とし、細胞スケールから流れを紐解くことで、生物流れの機能を調べています。また、石油の代替エネルギーとして脚光を浴びている微細藻類も研究対象とし、藻類が作り出す生物流れも調べています。本講演では、我々のこうした最新の研究成果をご紹介します。




■講演3

「ワイヤレス給電の医療応用」

松木 英敏 教授
(東北大学 大学院医工学研究科長、同 生体電磁波医工学分野)

非接触で電力を供給できるワイヤレス給電法をとりあげ、現在提案されている様々な方式について各方式の概要、特失について解説する。次いで、医療応用を目指した場合に適した方式について紹介すると共に、これまでに報告されている研究の中からいくつかの具体例を紹介し、併せて医工学の立場からみたワイヤレス給電法の将来展望について議論する。




■講演4

「IVR(インターベンショナルラジオロジー)による高血圧根治術—副腎静脈サンプリング技術を応用した原発性アルドステロン症の低侵襲ラジオ波アブレーション治療—」

高瀬   圭 准教授
(東北大学病院 放射線診断科)

高血圧症は推定4000万人と我が国で最も罹患者が多い疾患であり、原発性アルドステロン症は副腎からの血圧上昇ホルモンであるアルドステロンの過剰分泌により高血圧を来す最も頻度の高い2次性高血圧症である。我々は、副腎内からの静脈採血により異常部位を正確に診断し、ラジオ波アブレーション針にて責任病変を焼灼する研究を行っている。「針一本で高血圧を治す」ことの実現に向けた、IVRによる高血圧根治のための画像診断、カテーテル技術、およびラジオ波焼灼術につき紹介する。